制作会社のプロジェクト管理、BacklogやAsanaだけで本当に足りてる? 案件・校正・請求を一元化するという選択肢

Web制作や広告制作の現場で「プロジェクト管理ツールを入れたのに、なぜかラクにならない」。こういう声を本当によく聞きます。その原因はツールの使い方ではなく、ツールがカバーしていない業務にあることが多い。この記事では、タスク管理だけではなく校正や請求まで含めた「案件まるごとの管理」という考え方について、各ツールの特徴と合わせて書いていきます。

制作会社のプロジェクト管理、BacklogやAsanaだけで本当に足りてる? 案件・校正・請求を一元化するという選択肢

Backlogでタスクを管理して、Chatworkでやりとりして、スプレッドシートで請求を追いかける日々

制作会社のプロジェクト管理には、独特のめんどくささがあります。

たとえば、こんな状況。

タスクの進捗はBacklogで管理しているけれど、クライアントとのやりとりはChatworkやSlack。デザインの修正指示はメールに添付されたPDFに赤字が入っていて、ときどきLINEでも飛んでくる。月末になると、案件ごとの請求金額をGoogleスプレッドシートに手入力して、freeeに転記して請求書を発行する——。

ツールを使っている数だけ情報の置き場所が増えて、「あの件、どこで話したっけ?」が毎日のように発生する。これは制作会社で働いたことがある人なら、誰しも一度はぶつかる壁です。

プロジェクト管理ツールを導入しても業務がスッキリしない。その原因はツールの問題ではなく、ツールがカバーしている範囲と実際の業務範囲がズレていることにあります。

制作会社の仕事は「タスクを消化する」だけでは終わりません。クライアントとデザインの認識をすり合わせる校正作業があり、納品後には請求書を起こす作業があり、顧客情報の管理もある。タスク管理ツールは「タスクの管理」には強いですが、そこから先は守備範囲外です。


よく使われるツール、それぞれの得意なところと苦手なところ

制作会社でよく名前が挙がるプロジェクト管理ツールを、実務での感覚をもとに整理します。

Backlog — 国産の安心感と、開発チームとの親和性

ヌーラボが提供するBacklogは、国内14,000社以上が導入しているプロジェクト管理ツールです。Git連携やバグトラッキングの機能が充実していて、もともとはエンジニア向けのツールとして広まりました。

制作会社にとっての強みは、課題(イシュー)管理のわかりやすさとガントチャート機能。日本語UIが自然で、ITに詳しくないメンバーでも抵抗なく使い始められます。この「導入のハードルの低さ」は国産ツールの強みです。

料金は契約単位でユーザー数無制限(スタータープラン月額2,970円〜)なので、小規模チームにとってはコストパフォーマンスが高い。

ただし、デザインの校正機能や請求書管理の機能はありません。Backlogは「タスクの進行管理」が中心で、制作物のレビューや請求業務は別のツールを使う前提です。クライアントにBacklog上で校正依頼を出すことも不可能ではないですが、正直、無理やり感は否めません。

Asana — ワークフロー設計と自動化の筆頭格

Asanaは全世界で16万社以上が利用するワークマネジメントツールで、LIGなど国内の大手制作会社が導入事例として紹介されていることもあり、制作業界での知名度も高いです。

最大の特徴はタスクの依存関係とワークフローの自動化。「このタスクが完了したら、自動で次の担当者にアサインされる」という仕組みを、コーディングなしで組めます。案件の進行パターンが固まっているチームなら、この自動化で月に数時間は確実に浮きます。

料金は1ユーザーあたり月額1,200円〜(年払い・Starterプラン)。Backlogとの大きな違いは「ユーザーごとの課金」である点で、チームの人数が増えるとコストも比例して上がります。10人チームだと月額12,000円〜。

Asanaにも校正や請求の機能はありません。LIGの事例ではAsanaで請求書管理もしているとありますが、請求書を発行できるわけではなく、「請求書を送る」というタスクを管理しているだけ。請求書の作成自体は別ツールです。

Notion — 自由度の高さは強みでもあり、落とし穴でもある

「うちはNotionで全部やってます」という制作会社、ここ数年で急増しました。ドキュメント、データベース、タスク管理、Wiki——たしかにNotionひとつでかなりのことができます。

ただ、制作会社のプロジェクト管理で使うなら、知っておいたほうがいいことがあります。

ひとつは、自由すぎる問題。Notionは最初から「プロジェクト管理ツール」としての型が用意されているわけではなく、リレーションやフィルターを組み合わせて自分で仕組みを作る必要があります。これが得意な人がチームにいれば良いのですが、その人が辞めると運用が崩壊するリスクがあります。制作会社の実務で「Notionの設計がわかるのは1人だけ」というのは、かなり見かけるパターンです。

もうひとつは、案件数が増えたときの重さ。ページが増えると読み込みが遅くなるという報告は多く、年間100件以上の案件をさばく制作会社だとストレスになります。

ナレッジ管理やドキュメント整理には文句なしに優秀。でも「案件ごとの進行管理+校正+請求」を全部Notionでやろうとすると、構築にも運用にもそれなりの覚悟が要ります。

Trello — シンプルさが最大の魅力、でも規模に限界がある

Trelloのカンバンボードは、タスクの状況を一目で把握できるシンプルさが魅力です。Atlassianが運営しており、1ユーザーあたり月額約5ドル(Standardプラン)〜と価格も手頃。

ただ、複数案件を同時に回す制作会社には力不足です。ボード=1プロジェクトの構造なので、案件をまたいだ全体管理ができない。ガントチャートもPower-Up(拡張機能)で後付けする形で、お世辞にも使いやすいとは言いづらい。

2〜3人で1〜2案件を回すチームならTrelloで十分。でも5案件以上を常時動かすようになると、壁にぶつかります。


タスク管理のその先——「校正」と「請求」の壁

ここまで紹介したツールに共通しているのは、「タスクの進行管理」が主役であること。これは当然です。

問題は、制作会社の業務にはタスク管理だけではカバーしきれない領域が多いこと。

デザイン校正は「タスク」では管理しきれない

Webサイトやバナーのデザイン校正は、制作会社の仕事の中でもっとも手間がかかるフェーズのひとつです。

クライアントに確認を依頼して、修正指示をもらい、対応して、また確認に出す。ここがスムーズに回れば苦労はしないのですが、現実はそうもいきません。「修正指示がメール本文にベタ書きで、どこの話かわからない」「PDFに赤字が入っているけど、それ2つ前のバージョンのやつ」「Chatworkで送った修正点が別の話題に埋もれた」——制作会社のディレクターなら一度は経験しているはずです。

AUNやMONJIのような校正専用ツールを使えばこの問題は解消されます。ただ、そうなると今度は「タスク管理はBacklog、校正はAUN、やりとりはChatwork」とツールが3つに分散する。結局また情報がバラバラです。

請求漏れは「仕組み」の問題

月末の請求処理も、制作会社にとっては地味に大きな業務負担です。

案件ごとにどの作業が完了していて、追加費用が発生しているのか。見積もりと実績の差異はどうなっているか。こうした情報がプロジェクト管理ツールの中にあれば話は早いのですが、実際には「案件の情報はBacklog、請求はスプレッドシート、発行はfreee」とバラバラに管理しているケースが大半です。

こうなると何が起きるか。案件が完了しているのに請求を出し忘れる。追加作業分の費用を請求に含め忘れる。忙しい月ほど漏れが増えて、売上に直接響きます。


「案件軸」で全部つなげるという発想

タスク管理、校正、請求、顧客管理——これらをそれぞれ専門のツールで管理するのは、王道といえば王道です。各ツールの機能は優れています。

ただ、その代償として「情報の転記」「ツール間の行き来」「データの二重管理」が必ずついて回る。制作会社の業務はすべて「案件」という軸でつながっているのに、ツールごとに情報が分断されていると、案件単位での全体像が見えません。「この案件、結局いくら利益出たの?」という問いに即答できないチームは多いはずです。

そこで出てくるのが、案件を軸にしてタスク管理から校正、請求まで1つのツールに集約するやり方です。

LOGLIKEは、この「案件軸の一元管理」を前提に作られたプロジェクト管理ツールです。プロジェクト管理・課題管理に加えて、デザイン校正(クライアントへの外部共有もできる)、完了した課題に紐づく請求書管理、顧客管理(CRM)、ガントチャートの外部共有、ナレッジベースまで入っています。さらにAI機能として、AIとの対話でプロジェクトを分析できる「AIと会議」、遅延リスクを事前に検知する「AI予告通知」、自然言語から課題を自動生成する「AI課題生成」も搭載しています。

つまり「Backlogでタスク管理→AUNで校正→freeeで請求→スプレッドシートで顧客管理」の4ツール運用が、1つで完結する。便利というだけの話ではなく、案件に紐づいた校正履歴がそのまま残る、完了した課題から請求書をそのまま管理できるなど、情報がつながっているからこそ防げるミスがあります。

正直に言えば、すべての制作会社にオールインワンが最適解ではありません。BacklogやAsanaで運用が固まっていて、校正も請求もうまく回っているなら、わざわざ変える理由はない。

ただ、「ツールが多すぎてしんどい」「案件全体を1画面で見たい」「校正と請求をもっとラクにしたい」——こう感じているなら、一度試してみてほしいです。


ツール選びで見落としがちなこと

最後に、ツール選定で失敗しないための判断基準を書いておきます。

カバー範囲を先に決める

「人気だから」「他社が使っているから」でツールを選ぶと、後から「校正は別ツールが必要だった」「請求管理は結局スプレッドシート」となりがちです。導入前に自分たちの業務フローを紙に書き出してみてください。タスク管理だけで足りるのか、校正や請求まで含めたいのかで、選ぶべきツールはまったく変わります。

社外の人を巻き込めるかどうか

制作会社の仕事は社内だけで完結しません。クライアントへの校正依頼、外部パートナーへのタスク共有——この「社外との連携のしやすさ」を見落とすと、結局メールやチャットに逆戻りします。ゲストユーザーの招待上限や、外部共有でどこまで見せられるかは、トライアル中に必ず確認してください。

一番ITに詳しくない人に触らせる

高機能でも、チームの半分が使いこなせなければ定着しません。Notionのように自由度の高いツールほど、「設計できる人」と「使うだけの人」の差が激しくなりがちです。トライアル期間中に、チームで一番ITが苦手なメンバーに使ってもらう。その人が抵抗なく使えるなら、そのツールはチームに定着します。


まとめ

制作会社のプロジェクト管理は、タスクの進捗追跡だけでは片付かない。校正があり、請求があり、顧客との関係もある。Backlog、Asana、Notion、Trelloはそれぞれ得意分野が違うので、自社の業務のどこに課題があるかで選ぶツールは変わります。

もし「ツールを入れたのに、業務全体がラクになった気がしない」と感じているなら、使い方の問題ではなく、カバー範囲の問題を疑ってみてください。

LOGLIKEはプロジェクト管理・デザイン校正・請求書管理を案件軸で一元管理できます(機能の詳細はこちら)。現在プレリリースキャンペーンも実施中なので、まずは自社の業務フローを書き出してみて、今のツール構成に穴がないか確認するところから始めてみてください。

この記事をシェア:

関連記事

リリースして終わり、にならない受託開発——保守・運用フェーズの問い合わせ・障害・改修を「案件」として回す設計

リリースして終わり、にならない受託開発——保守・運用フェーズの問い合わせ・障害・改修を「案件」として回す設計

リリース当日は、だいたい良い日です。長かった開発が一段落して、本番にデプロイが通って、クライアントから「無事公開できました、ありがとうございます」と連絡が来る。チームで軽く打ち上げをして、次の案件のことを考え始めます。問題はその翌週からです。「ログインできないユーザーがいるんですが」「この画面、スマホだと崩れてます」「ちょっと文言を直したいんですけど」。メールで、チャットで、ときどき電話で、ぽつぽつと連絡が入り始めます。一件ずつは小さい。でも、新規開発の手を止めて対応しているうちに、気づくと半日が溶けている。これが保守・運用フェーズの実態です。 私はコーダーとして、新規開発と並行して保守運用の案件をいくつも抱えてきました。正直に言うと、保守運用は長いあいだ「片手間でやるもの」という扱いを受けがちです。見積もりにもざっくり「保守費用 月◯万円」と一行入るだけで、中身の運用設計まで詰めることは少ない。けれど、案件が積み上がってくると、この片手間が一番チームを削ります。この記事では、リリース後の問い合わせ・障害・改修を、新規開発と同じくらいちゃんと「案件」として回すための設計を書きます。 世の中の「システム保守運用」の記事は、たいてい発注者向けに「保守は外注しましょう」「契約ではここに注意」という話をしています。それも大事なんですが、ここで書きたいのは受け手側、つまり自分たち開発チームが、いまある道具でどう回すか、です。

特定の人にだけ案件が集中して、その人が倒れたら全部止まる——稼働の偏りを「個人の頑張り」で埋めない案件アサインの設計

特定の人にだけ案件が集中して、その人が倒れたら全部止まる——稼働の偏りを「個人の頑張り」で埋めない案件アサインの設計

数年前、うちのエース格のディレクターが一週間入院しました。本人の体調の問題で、本当に突然のことでした。 困ったのは、彼が抜けた瞬間に4本の案件が同時に止まったことです。進捗はどれも頭の中にあって、クライアントとの細かい握りもチャットの彼の発言を遡らないと分からない。引き継ぎ資料なんてあるわけがなく、残ったメンバーで手分けして彼のSlackとメールを読み解くところから始めました。結局その一週間、会社の生産性は体感で半分以下に落ちました。彼が悪いわけではありません。むしろ彼は会社を支えてくれていた。問題は、支えられている状態を私たちが「強さ」だと勘違いしていたことです。 この記事は、5〜50名規模の制作会社・デザイン事務所・広告代理店・受託開発チームで、人の差配に責任を持っている経営者やマネージャーに向けて書きます。特定の人に案件が寄っていく、毎月だれを何に張り付けるかを勘で決めている、そのことにうっすら不安を感じている——そういう方に読んでほしいです。私自身、LOGLIKEというプロジェクト管理ツールを作る会社の代表として、自社の差配でもユーザー企業の現場でも、この問題を何度も見てきました。きれいな処方箋は出せませんが、今考えていることを正直に書きます。

自分は止めていないのに、案件だけが止まる——「誰待ち(ボールの所在)」を見える化して確認待ちの滞留を減らす進行設計

自分は止めていないのに、案件だけが止まる——「誰待ち(ボールの所在)」を見える化して確認待ちの滞留を減らす進行設計

朝、案件の一覧をひらいて、ぞっとすることがあります。先週デザインを上げて、クライアントに確認をお願いして、それっきり動いていない案件が3つ。自分のタスクは全部終わっているのに、納期だけは粛々と近づいてきます。 私自身、ディレクターとして複数案件を回していると、いちばん消耗するのはここでした。自分が手を止めているなら、まだ対処のしようがあります。でも「自分は終わっているのに案件が止まっている」状態は、放っておくと締切の2日前にまとめて火を噴きます。しかも厄介なことに、止めている本人——クライアントだったり、社内の承認者だったり——には、自分がボールを持っている自覚がないことがほとんどです。 この記事では、確認待ち・承認待ちで案件が滞留する問題を、コミュニケーションの根性論ではなく「ボールの所在を見える化する運用設計」として整理します。誰がいま止めているのかを、毎回チャットを遡らなくても分かる状態にする。それだけで、滞留はかなり減ります。

無料で始める

LOGLIKEを今すぐ無料でお試しいただけます。クレジットカード不要。

無料登録はこちら

お問い合わせ

導入のご相談や詳しい機能についてお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ